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手すりと収納

revised: 2005 / 11 / 21

はじめに

「機能とデザイン:兼ねる」では、通常機能的には分けて考えられがちな事物について積極的に兼ねることで新しい魅力を発見しよう、という試みをご紹介します。

吹抜けと手すりの関わり

吹抜けの空間ではどうしても手すりが必要になる場合が出て来てしまいます。ここで紹介する「妙蓮寺の家」においても大きな吹抜けを中心とした間取りが空間構成の主軸となっているので、吹抜けを取り囲む形で手すりを設ける必要が生じました。

妙蓮寺の家、アルミオーダー家具としてデザインした手すり。手が触れる部分には集成材をオイル拭き取り加工した素材を用い、視覚、触覚それぞれの「さわり」を演出している。
Photo: Alessio Guarino

空間装置としての手すり収納

ただ、手すりを設けるだけでは、いまいち空間が間延びしてしまうのも確かです。そのために私どもでご提案したのが収納棚を兼ねた手すりとしてのオーダー家具です。手すりを家具化してしまうことで、家の様々な場所からの視線のぬけをコントロールすることが可能になります。もちろん限られたスペースの有効活用にもなってきます。

妙蓮寺の家、アルミオーダー家具としてデザインした手すり。モジュールに従ってデザインすることで自在に棚のレイアウトが変更できるようになっている。
Photo: Alessio Guarino