都市における垂直移動を可能にした近代化遺産
リスボンの町中を歩いていると突然出くわす感の高い都市装置。 従来のガイドブックなどではエッフェル塔でおなじみのG. エッフェルの設計によるものと紹介されている事があったが、今回いろいろ調べてみると事実とは異なっているようだ。 「エッフェルの弟子ルイス・レイナルドが設計し、フランス生まれのポルトガル人技師ラウル・メスニエル・デ・ポンサルドが建築した」という。 いずれにせよ、各層が異なる意匠で、しかもゴシックリバイバルの様式を当時のハイテク素材「鉄」を用いて表現している、というところに時代の雰囲気を感じたように思う。 訪れた当時はエッフェルの設計によるものと信じていた私は、この後訪れることになるパリにあるエッフェル塔との関連や旧国立図書館(アンリ・ラブルースト設計)との類似性などを思い浮かべていたものだ。