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理想主義のかたち
この計画は私が訪問した当時「ショーの製塩工場」として紹介されていました。
18世紀フランスの建築家クロード・ニコラ・ルドゥーによる計画です。上空からの写真を見るとよくわかりますが、当初は「ショーの理想都市」の中核をなすものとして、円形のマスタープランだったものの半分だけが完成し、半円形に主要な建築群がレイアウトされています。
日本では1970年代に一世を風靡した雑誌「都市住宅」の表紙連載「マニエリスムの相の下に」で紹介された事で広く知られるようになったのではないでしょうか。
その表紙には煮詰められた塩水がカメから流れ出る様子を表現したと思われるオーナメントが紹介されていたので、さぞかしおどろおどろしいことになっているのでは、と想像しつつ訪れてみるとそこは何とも牧歌的であっけらかんとした雰囲気で驚きました。
当時からずいぶん整備も進んでいるんだなあ、と感じましたがすでに1982年には世界遺産に登録されていたんですね。