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富山市岩瀬浜周辺のまちづくり
富山ライトレール:ポートラムに揺られること20分強。終点は「岩瀬浜」。のんびりした道中です。
かつて北前船の寄港地として栄えた岩瀬浜には廻船問屋が軒を連ね活況を呈していたようですが,陸送に主役の座を奪われるとともに、一時は町から活気が失われ,朽ちた土蔵が売りに出てしまうほどだったといいます。
その事態を憂えた地元の有志により岩瀬まちづくり株式会社が設立され,旧い町並みの保存とともに、人材育成という次代をにらんだ最も重要な課題に取り組むようになったといいます。人とともに育つまちづくり、とでもいうのでしょうか。
富山ライトレールの開通以降訪れる観光客も確実に増えているようですが、注目すべきは同社のミッション。「観光客を集めるためのまちづくりではなく、住む人々が誇りを持てるまちづくり」ということで、若い職人,アーティストなどへも広く門戸が開かれているようです。
コンテンツあってこそのデザイン。日頃から生活そのものをデザインできないか,と考えている私には深く共感できるまちづくりの事例でした。