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「光」と「陰」に終わらない見事な処理
メキシコ・シティ郊外に建つ邸宅。ルイス・バラガンの設計により、1955年に竣工したこの邸宅は、訪れた当時ちょうど何度目かのリノベーションを終えたばかり。
強い日射しに映えるピンクと白の切り替えが鮮やかな壁面は満開のブーゲンビリヤとの相乗効果もあり、誠に好ましい意匠として記憶されています。
住宅のボリュームに付随しながら若干スケールダウンして設置された壁面は水盤をはらみ、その壁面越しにメキシコ特有の乾いた光が室内に射し込んでいます。
反射と透過、そのすべてを計算しつくした訳ではないだろうけれども、光と陰、だけに終わらないその処理は一見に値します。